写真を撮る上で一番大切になってくるものは何かと考えたときに、不要な物をどんどん削っていくと最後に残るのは光だと思う。
そもそもこの光がないと、人は対象の形も色も知ることが出来ない。つまり見えない。
どんな素敵な瞬間、どんな綺麗な物、その逆であろうとも、見ることも写すことも出来ない。
この光っていうものが面白くて、なんか凄いやつで、速度の単位にもなっているし、光の速度を超えると未来にも行けるらしいし、実際のところ今でも正体不明な部分もあるみたいで。
そんな物を当たり前のように僕たちは使い、仕事もしている。
しかし、これまた困ったことに、この光自体は見ることが出来ないというか、これが光!という厳密な表現がしづらい。眩しいだとか、白いとか、暖かいとか結構曖昧で。
この光のあたり方で随分と見え方が変わってくるのが写真であり、この光を勉強することが写真の大切な要素なんだけど、これがまた難しい。硬い光とか、柔らかい光とか、順光とか逆光とかなんとなくはわかるんだけど、例えば一枚の写真があって、この写真はどんな光でどんな位置からどうやって光っているのか、目に見えずらい光だからこそ分かりづらい。
そんな光を知るために僕がやっていることは、影を見ること。
光は見えづらいけど、その光が作った結果の影は見ることが出来る。
影を見てそこにある光を知ることが出来る。
影の伸びる方向で光源の位置を知り、影の本影と反影の具合で光源の形や種類を知ることが出来る。
光を知るにはその足跡である影を見ること。
2020/05/10 SHUNJI MIYSOSHI
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