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執筆者の写真SHUNJI MIYOSHI

都会のサウナ

昔は温泉が好きで、友達とよく温泉に行ってたんだけど、サウナは良くわからずに避けてた。

熱いし、汗だくのおじさん達と入って、息苦しくて、なんだこれって。何の我慢大会だよって。

でも、数年前、友人の勧めでそんなサウナに行ってみた。

結果、ハマった。今では都内のサウナ、近郊のサウナ、近所の銭湯サウナ、出張もサウナベースでホテルを取る始末。

サウナの基本はサウナに10分くらい入って、じっくりと汗をかき、その後、水風呂に入って身を引き締めて、イスやお風呂場の淵で休憩。これを1セットとして2~3セット行うことが僕は多くて、

この休憩の時に「整う」というサウナトランスの状態になって、とても気持ちいい。

ナチュラルドラッグだと僕は思っていて、もう全てがどうでも良くなる感覚になる。

そんなサウナ。日本にもたくさんの有名サウナがあって、サウナの雰囲気、水風呂の質、休憩スペースの充実具合、そのあとのご飯など、いろいろな要素で特徴があって、どこも楽しい。

そんな中で僕が一番好きなタイプのサウナが、繁華街にあるサウナ。

よく夜の街の一角にデカデカとサウナ・カプセルホテルみたいな看板があるそういう場所。

夜の繁華街の何とも言えない欲が渦巻く空間の中に、ひっそりとたたずむサウナ。

ガヤガヤとした雑音や雑念がサウナに入った瞬間になくなり、そこは繁華街なのにまるで別空間。

最初の5分は汗をかかない。ただ目を閉じて、今日あったこと、これからのこと、ちょっとした考え事をしたりしていると、こめかみを流れる汗で自分に意識が戻る。一度その汗をふく。

そこからはもう汗は止まることなく出てきて、たまったらもう一度ふく。そしてもう一度汗がたまったらサウナを出る。何も考えずに水風呂へ入る。冷たい水風呂なのに、空気の羽衣のおかげで心地よい温度に感じる。ただボーッと視界をぼやかせて。

そして、体を拭き、整いイスでぐったり。ただ自分の内側だけに神経が持って行かれる時間。

体の力は抜けて行って、頭の中はボヤーと霞んで、重力から、色んなしがらみから解放されたような気持ちになる。

人間は欲の塊だと思っているし、そういうものが渦巻く繁華街のど真ん中で、一人その渦を超越して社会から少しだけ解放される場所。その何とも紙一重な感覚がたまらなく生きてるな〜って感じる。

都会サウナのススメ

2020/05/17 SHUNJI MIYSOSHI

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