バックストロボを考える。
ウエディングやポートレート(日本風)の撮影なんかで良く見るライティング方法。
被写体の後ろ側にストロボを被写体向きに設置するのが一般的で、効果としては背景と被写体の分離、ハイライトが人物の輪郭に入るので、目線を被写体に誘導することが出来る、雨がふれば人物の周りの雨を止めて幻想的な写真を撮ることも出来る。
昔、「かっこいい写真を撮りたいなら後ろにストロボを置けばいいんだよ」とあるフォトグラファーに言わせたほど、悪魔的なライティングの一つ。
確かに、被写体の後ろにストロボを置けばそれなりに「おぉ!」って感じの写真になる。この「おぉ!」って言うのはあくまでも一般の人の感想で、僕の周りのフォトグラファーにはわりと反応が悪いライティングの一つで、一般の人とは逆の「かっこ悪い」っていう感想が大半。
僕も7年前までは良く使ってたライティングの一つで、今ももちろん使用するんだけど、昔とは違って、とにかく後ろにストロボって感じに使用はしない。
このバックストロボ。簡単に撮れるようで本気で撮ろうと思うとわりと考えないと行けないライティングで、難しい。
後ろのストロボが強すぎて、せっかく綺麗にヘアセットしたのに、少量のアホ毛が目立つ写真になったり、ドレスの質感によっては透けて足のラインが見えたり、夜にヴェールごしにやってしまうと、ヴェールが真っ白の空間になったり、そのまま下に奥から、地面が明るくなりすぎて、目線がそこに先に行ってしまったり。。。
クリップオンストロボで撮影を行う時は、光量はもちろん、どこに光をなぜあてたいのか考えて、照射角、ストロボの高さ、距離を慎重に合わせないと上のような写真になりかねない。
でも、簡単にそれ風に撮れるから、そのままずっと撮影を行うフォトグラファーも少なくない。
同じライティングでも、なぜ?という気持ちがあるライティングと、とりあえず、、、という気持ちのライティングでは、今後の成長に大きく影響がある。
簡単でお手軽な物だけに忘れがちな「なぜ?」を大切にして行けたらと思う。
「なぜ物は落ちるのか?」
こんなどこにでもありふれた事実からどれだけ多くの発明がされたか。
2020/07/09 SHUNJI MIYOSHI
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